
ライクイットのブリックスシリーズを、暮らしの動線に合わせてどう使いこなすか。
今回は、実際に下駄箱収納へ取り入れた実例をご紹介します。
仕切り板を活用した分類の工夫や、シリーズで揃えることで生まれる視覚的な効果、さらには米びつの意外な転用まで。
日常のリアルな使い方を通して、収納を“戻せる仕組み”へと変える発想をお届けします。

執筆者:竹村真奈(たけむら・まな)
東京在住。チームたけまなリーダー。整理収納アドバイザー、ルームスタイリスト。
訪問片付けサポート、オンライン片付け、インテリアコーディネイトまで幅広く活動中。
一方でフリー編集者としても活動。手掛けた本は300冊以上、『整理収納を仕事にする』『小さな家、建てました』など、30冊の著書がある。
著書「整理収納を仕事にする(翔泳社)」 「小さな家、建てました(翔泳社)」
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目次
「見えない場所」を整えるという選択
玄関まわり、とくに下駄箱の中は「とりあえず入れる」になりやすい場所です。
外から帰ってきて一時置きしたもの、学校行事でしか使わないスリッパ類、ストックの電球、工具に、ビニール袋類。
使用頻度は高くないけれど、確実に必要なものたちが混在しやすい空間です。
しかも下駄箱は、扉を閉めてしまえば見えなくなる収納。
だからこそ整える優先順位が下がりやすい。
しかし私は、見えない場所こそ構造をつくる価値があると感じています。
視界に入らない部分が整うと、暮らし全体の流れが静かに整い始めるからです。
今回、下駄箱内の整理に使ったのが、ライクイットのブリックスシリーズでした。
選んだのは、
いずれも奥行350mm。
下駄箱の奥行と揃えることで、前後に余分なスペースをつくらず、奥まで無駄なく使うことができます。
収納は“入るかどうか”ではなく、“美しく収まるかどうか”で整い方が変わります。
奥に中途半端な余白があると、そこはすぐ“とりあえず置き場”になります。
あえて余白をつくることもありますが、最初から余白をつくらない設計もまた、乱れを防ぎます。
ブリックスの魅力はアミ状の構造です。
完全に隠さないため、何が入っているかが自然と目に入ります。
ストック収納は、見えすぎても散らかって見えますし、見えなさすぎると存在を忘れます。
その中間にある“把握できる状態”が、日常にはちょうどいいのです。

仕切ることで、戻せる仕組みに
350ミドルLとワイドLは高さがあるため、かさばるものの収納に向いています。
内部の仕切り板を使い、ティッシュや電球類、ビニール袋や紙袋などを細かく分類しました。
分類が曖昧なままだと、“とりあえず箱”が生まれます。
しかし最初に仕組みをつくれば、戻す場所が明確になります。
収納は「入れる作業」よりも「戻せる設計」が重要です。使ったあとに迷わない仕組みが、整った状態を保ちます。

高さ63mmのミドルMには薄手のストック電池類を。
高さ125mmのミドルLには立てて収納したいものを。
それぞれ役割を固定しました。サイズと用途を一致させることで、収納効率は大きく変わります。
ワイドLには、学校行事用のスリッパやPTAのカードなど“用途で動くもの”をまとめました。
単体ではなくグループで管理することで、必要なときにそのまま持ち出せます。
探す時間が減るだけで、気持ちの余裕が生まれるんです。

そして同シリーズで揃えたことによる視覚的効果も大きなポイントです。
異なるメーカーや色味が混在していると、それだけで空間は騒がしくなります。
フォルムと素材を統一することで、下駄箱の中に秩序が生まれました。
収納を揃えることは、空間のノイズを削ぎ落とすことでもあります。
見えない場所であっても、開けた瞬間に整然と並んだ景色があるだけで、暮らしは静かに整います。

「深さ」と「持ち運び」を活かす米びつ
もうひとつ活用しているのが、米びつです。ただし、私の場合は米びつとして使っていません。
深さと内部構造を活かし、庭いじりセットとして使っています。
軍手、剪定ばさみ、小さなスコップ、ひも、肥料の小袋など、細かく散らばりがちな道具をひとまとめにしています。
土を扱うものなのでリビング収納には入れたくありません。
そこで下駄箱内に定位置をつくりました。

米びつはフタ付きでホコリを防げますし、深さがあるため長さのある道具も収まりやすい。
縦方向の空間を使えることで、見た目以上の収納力があります。
さらに重宝しているのが、取手付きであることです。
庭に出るとき、そのまま持ち運べます。

収納ボックスとして完結するのではなく、「収納→持ち出し→作業→戻す」までが一連の動線として成立します。
これは日常使いにおいて非常に大きなメリットです。
わざわざ中身を別のカゴに移し替える必要がありません。
取手があることで、収納が“道具箱”へと機能を広げます。
収納用品は、本来の用途に縛られる必要はありません。
サイズ・形状・深さ・持ち運びやすさ。その構造を見れば、役割は自由に変えられます。

下駄箱収納を整えて感じたのは、ボックスが揃うことで“判断”が減るということです。
どこに何を入れるかが決まっていれば、迷う時間がなくなります。
迷いが減ると、動作は自然とスムーズになります。
そして、揃った収納はシンプルでスタイリッシュな景色をつくります。
整えるとは、生活の流れを設計すること。その設計を支えるのが、道具の力です。
ブリックスと米びつは、下駄箱という小さな空間を、機能的でありながら静かに美しい場所へと変えてくれました。
見えない場所が整うことは、暮らしの土台が整うこと。その実感をもたらしてくれる収納でした。

スタッフコメント
たけまなさんのお話から感じたのは、「見えない場所」を整えることが、暮らし全体の心地よさにつながるということ。
下駄箱のように後回しになりがちな空間でも、収納を“戻せる仕組み”として設計することで、日々の動作や気持ちに自然と余裕が生まれていきます。
ブリックスシリーズのように、サイズや形を揃えながら柔軟に使える収納は、空間に静かな秩序をつくってくれる存在。
さらに、米びつを庭道具収納として活用されていたように、「用途に縛られず使える自由さ」も、like-itの魅力のひとつだと改めて感じました。
このコラムが、“見えない場所”を整えるきっかけになれば嬉しいです。
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