
衣類やバッグはもちろん、布団や家電を片付ける際に活躍する「押入れ」。
奥行きがあるのでたくさん収納できますが、そのぶんデッドスペースができやすく、効率的に活用するにはコツを抑えなくてはいけません。
この記事では、効率的に押入れを使いたい人に向けて、押入れ収納の基本や収納アイデア、おすすめアイテムなどを解説していきます。
目次
押入れ収納の基本
押入れは3つの空間に分かれています。まずは押入れの構造を確認していきましょう。
上段(天袋)・中段・下段を使い分ける
押入れは、上段・中段・下段の3つに分かれおり、それぞれの特性を生かして収納プランを考えるのがポイントです。
それでは次に、空間の使い分け方について詳しく解説します。
押入れ収納の上段
押入れの上部に設けられた収納部分を天袋(てんぶくろ)といいます。
軽いものや季節用品・思い出のアイテムなど、使用頻度が低いものを収納するとよいでしょう。
手が届きにくいため、必要に応じて踏み台(ステップ)を用意するのがおすすめです。
なお、たまに天袋がない押入れがありますが、その場合はつっぱり棒の棚を付けると上の空間も活用できます。

小さく細々としたものは、前側が空いたボックスや取手付きのケースを活用すると取り出しやすくなります。
押入れ収納の中段
押入れ収納の「コア」となる場所です。
一般的な中棚の高さは80cm~90cm程度。大人の腰の高さにあるため、ものが取り出しやすく、しまいやすくなっています。
そのことから洋服やバッグ、布団や毛布などの寝具など、使用頻度が高いものを入れるのに向いています。
中段を活用できるかどうかで収納量が大きく変わるので、しっかりとプランニングしましょう。
押入れ収納の下段
出し入れ時にしゃがむ必要がある下段には、保存食を入れたストッカーや書類を入れたファイルなど、重量物の収納に向いています。
奥側には来客用の寝具、スーツケース、季節家電のような使用頻度が低いものを収納するとよいでしょう。
下段は子ども用として使うのがおすすめです。おもちゃや勉強セットなど、必要に応じて子どもが自分で取り出せます。
✍ヒント:中央にものを置かない
押入れは横に長いタイプが多いため、左右で使い分けるのが有効活用のコツです。
特にふすまがある場合、左右どちらから開けてもふすまが押入れの真ん中に来るので、中央にものを置くと取り出しにくくなります。
押入れの収納アイデア7選
ここからは押入れの収納アイデアをご紹介。収納グッズを取り入れたり収納方法を工夫することで使いやすくなります。
キャスター付きの収納アイテムを活用する
押入れの下段に収納するときは、キャスター付きのアイテムを使うと出し入れしやすくなります。特に重量物が多い場合は有効です。
ふすまを外して「オープン収納」にする
ふすまを取り外して「オープン収納」にすれば、収納物の位置を把握しやすくなる上、部屋を広く見せる効果も期待できます。
雑然とした印象になりやすいので、収納用品の色や種類はよく考えてから選ぶようにしましょう。
カーテンやロールスクリーンを設置する
「ふすまを外したいけど、中が見えるのは抵抗がある」という場合には、カーテンやロールスクリーンを導入するのがおすすめ。
ふすまよりも開閉しやすく、通気性もよくなるので湿気防止にもなります。
カラーや模様が豊富なので、お部屋の雰囲気に合わせて選べる点も魅力です。
白色のロールスクリーンを選べば、プロジェクターとして利用できるというメリットも。
収納アイテムにラベルを付ける

天袋や奥にしまった荷物を確認するのはなかなかの手間です。
そこでおすすめなのがラベル付け。収納アイテムにラベルを貼っておくと、中身がひと目でわかります。
探しものの手間が省ける上、ほかの家族が探しやすくなるため、ぜひ取り入れてみてください。
壁面も収納スペースにする
ワイヤーラックなどを活用すれば壁面にも収納可能となります。
押入れ収納の壁面は、デッドスペースになりがちですが、積極的に活用して収納力を高めましょう。
ワイヤーラックやつっぱり棒にS字フックを取り付ければ、収納しにくいバッグや帽子、ベルトなどが整理しやすくなりますよ。
布団収納は圧縮袋を利用する
押入れに布団を収納する際は圧縮袋を使うようにしましょう。
かさばる布団をコンパクトにすれば、押入れの省スペース化につながります。
圧縮するとどの布団か分かりにくくなるので、「夏用」「来客用」などとメモしておくといいでしょう。
羽毛布団など圧縮できない寝具もあるので、試す前に布団の注意書きをご確認くださいね。
棚を作る
DIYが得意であれば、押入れのサイズを測り、ぴったりの棚を自作するのもひとつの方法です。
スペースや収納物にあわせて作れるため、効率的に収納できるようになります。
DIYが苦手な方は、つっぱり棒を組み合わせて柱や棚を作れる収納用品をおすすめ。
奥行きが深すぎる場合の対策
大容量がゆえに、空間を持て余しやすい押入れ収納。
特に奥行きが深い押入れは無駄なスペースができがちです。
それでは次に「奥行きが深い押入れを上手に活用するコツ」を説明していきます。
スペースを「手前」と「奥」で考える
押入れの奥行きが深すぎる場合は、以下のように手前側と奥側で空間を分けて使用しましょう。
手前側:日常的に使うもの
- 普段着やアウターなどの衣類
- バッグや帽子 アクセサリーなどの服飾雑貨
- アイロンやアイロン台、毛玉取りなどのお手入れ用品
- ハンディーサイズのほうきやワイパーなどの掃除用品
- 仕事や趣味で使う本や書類
奥側:使用頻度が低いもの・使うシーズンが限られているもの
- シーズン外の洋服や靴、服飾雑貨
- 扇風機、暖房、加湿器
- ミシンや裁縫箱
- 来客用の布団や毛布
✍ヒント:緊急時に必要なものは手前に
使用することはめったにないですが、防災バッグ(避難袋)のような緊急時に必要なものは、手に取りやすい場所に置くのを推奨します。
ワークスペースとして活用する
中段の棚板をデスク代わりにすればワークスペースに早変わり。
奥行きが深ければモニターや資料なども置けるため、リモートワークにも活用できるでしょう。
裁縫などの家事スペースとして活用するのもグッドアイデアです。

スタッキングできるボックスにガジェットをまとめれば広々と使えます。
押入れ収納の注意点
押し入れ収納を快適に使うためには、様々な注意点があります。
特に気をつけるべきことは以下の2点です。
湿気対策をする
押入れは空気がこもりやすく、湿度が高くなりがちです。
湿気がたまるとカビや悪臭の原因になるほか、ダニなど害虫が発生しやすくなります。
特に梅雨時期や秋雨時期は湿度は、以下のような対策を行いましょう。
- サーキュレーターや扇風機で換気する
- 除湿剤や除湿機を使う
- 床にすのこや吸湿シートを敷く
- バスケットなど通気性に優れた収納グッズを使う
✍ヒント:片付けるのは乾いてから
「洗濯したばかりの衣類や使った布団はすぐに片付けない」のもポイント。
ある程度置いて湿気が完全に取れてから収納しましょう。
荷物の整理整頓・処分を心がける
ものを入れすぎると取り出しにくくなる上、湿気がたまりやすくなります。
定期的に整理整頓して、不要なものは処分するように心がけてください。
整理のついでに、長く置いているものの底が湿ってないか確認しましょう。
✍ヒント:まだ使える不用品がある場合は
まだ使える不要品は、ネットのフリマサイトで販売するとエコです。
家具やインテリアを寄付できるリサイクルステーションも増えていますので、ぜひご活用ください。
奥行きを活かす! 押入れ収納のおすすめアイテム
収納アイテムをうまく活用すると、奥行きの深い押入れも収納しやすくなります。ここでは、おすすめアイテムを4つ紹介します。
衣装ケース

衣装ケースは押入れ収納の必須アイテム。
収納するものにあわせて高さと幅を選ぶのがポイントです。
いろいろなメーカーが取り扱っていますが、同じブランドのケースを組み合わせるとすっきりした印象になります。
キャスター付きのものを選べば、奥側に収納したケースを取り出しやすくなります。
キャスター付き収納ラック
収納ケースと同様、キャスター付きラックも押入れ収納に役立ちます。
日用品ストックやおもちゃ、小物の整理に役立てましょう。
棚板の高さを調整できるラックを選ぶと、収納物のサイズに合わせやすくなります。
ハンガーラック
ハンガーラックを使えば、押入れをクローゼットみたいに使えるように。
ハンガーラックは主につっぱり棒式とラック式の2タイプに別れます。
前者は設置位置を調整しやすいのが最大のメリット。気軽に取り付けられます。
後者は収納力が高いアイテムが多く、収納量を一気に増やせます。
ファイルボックス(ファイルスタンド)
ファイルボックスは、本の収納以外にも応用が効きます。
個人的におすすめなのはバッグの収納。自立しないバッグもすっきり収納できます。
型崩れを防ぐこともできるので、ぜひ試してみてください。
まとめ

押入れは頼れる収納空間ですが、計画を立てて使わないとデッドスペースが多くなります。
せひ今回ご紹介したアイデアやテクニックを取り入れて、押入れのポテンシャルを引き出しましょう。
なお、今回解説した内容は、クローゼット収納にも応用できます。ぜひお試しください。

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